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ロリポブログ!

Yet Another JUGEM.
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晩春
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     小津安二郎の映画における最高傑作のひとつとして定評のある本作は、頂点というよりは、過渡的な性格を持った映画である。
     小津安二郎の映画において、女優たちは、うつむくことによって光輝き、映画を揺るがす。その代表的な存在が、原節子であることは疑う余地のないところだ。
     小津安二郎の映画に原節子が初めて出演したこの『晩春』において、小津安二郎は原節子に、うつむくよりもむしろ、目を上げる、顔を上げる動作を多く行わせている。その最たるものが、笠智衆の再婚話を聞かされて顔を上げる瞬間であり、原節子の表情はそれまでの平和な雰囲気を一変させる迫力に満ち、ここから映画が急速な転換を見せる契機となる。
     小津安二郎は、原節子を起用するにあたり、自身の映画でその特性をどう生かすかをまだつかめない模索状態だったのではないか。映画が後半にさしかかるに連れ、原節子がうつむく動作が増え始め、終末近くにおいては、花嫁衣装で正座をし礼を述べるという、巨大な「アクションシーン」が実現される。
     小津安二郎は、この一作で原節子の特性とそれを生かす方法を完全につかんだ。原節子がうつむく、顔を伏せる動作をとらえ最大限に活用することにより、以後『麦秋』『東京物語』へとつながり、映画のさらなる震撼へとつながっていくことになるのである。
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